ゆかりの建築
[寺院・神社]
善福寺
明和4年(1767)、昭和36年(1961)に移築
寺院(浄土真宗)
木造平屋建
元麻布1-6-21

善福寺は幕末にアメリカ公使館として利用されたことで知られています。公使館は本堂の北側の建物(内裏)に置かれ、日本側からは異人館と呼ばれていました。安政6年(1859)6月、ハリスは通訳のヒュースケンをともない、善福寺に入りました。江戸時代の本堂は昭和20年(1945)5月の戦災で罹災し、昭和36年(1961)に再建されました。再建工事は伊勢地方の大工が担当しました。現在の本堂の内部意匠は荘厳を凝らし、中央欄間彫刻には鶴が彫り込まれ、左右の欄間には雲と波を潜りぬけるように勇壮な二対の龍がかたどられています。欄間上部の蟇股(かえるまた 桁や梁に置かれる山型の部材)の枠内には天女の彫刻が見られます。龍と天女の彫刻は壁面から張り出す立体的な造形となっています。