青山二郎(あおやま・じろう)
明治 34年(1901)
昭和 54年(1979)
大正 昭和
装丁家 美術評論家
青山二郎の自邸
麻布網代町
麻布十番4丁目一の橋付近

宇野千代 骨董品 文学界
明治34-昭和54(1901-1979)。装丁家・美術評論家。資産家の家に生まれ、幼い頃から絵画や映画に興味を持ち、自らも画才を発揮しました。中学生の頃から焼き物・骨董品蒐集にも興味を持ち、昭和2年(1927)26歳の若さで実業家・横河民輔の蒐集した中国陶磁器2000点の図録作成を委託されるなど、その鑑識眼は天才的と評されました。また『文学界』『創元選書』などおよそ2000冊もの本の装丁を手がけ、彼独特の美意識を今に伝えています。
才気集う文学道場「青山学院」の精神的支柱
明治34年(1901)麻布区新広尾町1丁目(現・南麻布)に生まれ、飯倉小学校、麻布中学校と進みました。昭和5年(1930)舞踊家の武原はんと結婚し、麻布一の橋に所帯を構え、作家の永井龍男が隣りに越してきたのを皮切りに、小林秀雄、中原中也、河上徹太郎、三好達治、大岡昇平ら文学仲間が出入りするようになり、青山を中心とする集いは「青山学院」と称されました。その他にも北大路魯山人、宇野千代、白洲正子、加藤唐九郎など多彩な面々と交流し、その高等遊民的な生き方は多くの作家によって語られています。
◎参考文献
『朝日人物事典』(朝日新聞社)
『青山二郎の素顔』(森孝一・編/里文出版)
『青山二郎文集』(小沢書店)

『いまなぜ青山二郎なのか』(白洲正子/新潮社)
『青山二郎の話』(宇野千代/中公文庫)
『死の骨董~青山二郎と小林秀雄』(永原孝道/以文社)
