巌谷小波(いわや・さざなみ)
明治 3年(1870)
昭和 8年(1933)
明治 大正
童話作家
巌谷小波邸跡
芝高輪南町
高輪4-1-18

尾崎紅葉 紅葉館 『金色夜叉』 創作童話
明治3-昭和8(1870-1933)。童話作家。明治20年(1887)、尾崎紅葉主宰の「硯友社」に入会。『五月鯉』などの言文一致体の小説を機関誌『我楽多文庫』に発表し、新進作家として注目を集めました。明治24年(1891)には『少年世界』に犬を主人公にした『こがね丸』を掲載し、創作童話の先駆者となります。晩年には日本各地を回り、少年少女たちにお伽噺を読んで聞かせる「お伽口演」に熱心に取り組みました。
紅葉館に出入りし、金色夜叉のモデルに
尾崎紅葉、川上眉山、武内桂舟ら硯友社の同人たちと交遊し、明治時代の一流サロンだった芝公園の「紅葉館」で青春時代を謳歌しました。紅葉館の若い女中に人気のあった小波は、尾崎紅葉の代表作『金色夜叉』の貫一のモデルと評判になりました。
児童文学の第一人者となった小波は、明治40年(1907)に芝高輪南町に邸宅を構え、終のすみかとしました。庭の一角には古今東西の馬に関する玩具、書画、器物などを集めて展示した「千里閣」を建て、毎週日曜に無料で公開していました。
◎参考文献
『日本人名大辞典』(講談社)
『波の足音巌谷小波伝』(巌谷大四/文春文庫)
巌谷小波邸跡(高輪4-1-18)
巌谷小波の句碑(芝公園4-7-35)
『日本昔噺』(平凡社)
『なんにもせんにん』(童心社)

『巌谷小波 お伽作家への道』(勝尾金弥/慶應義塾大学出版)
