朝香宮鳩彦王(あさかのみや・やすひこおう)
明治 20年(1887)
昭和 56年(1981)
大正 昭和
皇族
旧朝香宮邸
白金台町2丁目
白金台5-21-9

アール・デコ 東京都庭園美術館
明治20-昭和56(1887-1981)。久邇宮朝彦(くにのみや・あさひこ)親王の第8王子。学習院、陸軍中央幼年学校を経て、陸軍士官学校、陸軍大学校に入学。同年、朝香宮家を創立し、明治43年に明治天皇の第8皇女允子(のぶこ)内親王と結婚しました。大正11年(1922)から3年間のフランス留学中に、ちょうどパリで開催されたアール・デコ博覧会に出向いたことがきっかけとなり、帰国後、邸宅を新築する際にアール・デコ様式を採用しました。現在、この建物は「東京都庭園美術館」として公開されています。
アール・デコ様式の傑作「朝香宮邸」の主
朝香宮鳩彦王が“アール・デコの芸術品”とも称される邸宅を建てることになったのは、もともとはパリ留学中の交通事故がきっかけでした。片脚が不自由になり、駆けつけた妃殿下と共に療養生活を送るうち、夫妻は最先端の西欧文化の香りを嗅ぎ、高い美意識を身につけていくことになったのです。そして留学3年目、パリで開催されたアール・デコ博覧会(現代装飾美術・産業美術国際博覧会)で、2人はその斬新な装飾様式に魅せられます。
帰国後、夫妻は結婚の際に下賜された御料地に邸宅建築を計画します。設計は宮内省内匠寮(たくみりょう)が担当しましたが、インテリアの主要部分はアール・デコ博の中心人物であったアンリ・ラパンが統括するというこれまでに例のないものでした。昭和8年(1933)、朝香宮邸は竣工。妃殿下は、それを見届けるように急逝されました。
◎参考文献
『アール・デコの館』(藤森照信/ちくま文庫)
『とっておき美術館』(池内紀/講談社)
『歴史遺産日本の洋館第5巻』(藤森照信/講談社)
東京都庭園美術館(白金台5-21-9)
『アール・デコの館』(藤森照信/ちくま文庫)
『とっておき美術館』(池内紀/講談社)
