西脇順三郎(にしわき・じゅんざぶろう)
明治 27年(1894)
昭和 57年(1982)
大正 昭和
詩人 英文学者
慶應義塾大学
三田2-15-45

三田文学
明治27-昭和57(1894-1982)。詩人、英文学者。イギリス留学中の大正14年(1925)に英文詩集『Spectrum』を刊行。帰国後、慶應義塾大学の教授を務め、『三田文学』『詩と詩論』に作品、詩論を発表し、シュールレアリスムなどヨーロッパの思想、文学を紹介しました。戦後も精力的に活動を続け、『旅人かへらず』『第三の神話』などの詩集を発表しています。昭和32年(1957)にはノーベル文学賞候補にもなりました。
三田を拠点に近代詩運動を展開
明治44年(1911)画家を志して上京し、青山南町6丁目で下宿生活を始めましたが、父親の死去により画家志望を断念。翌年慶應義塾大学理財科に入学し、英語・ギリシャ語・ラテン語・ドイツ語を習得して大正6年(1917)の卒業の際には全文ラテン語による卒論「純粋経済学」を提出しています。
大正11年渡英、オックスフォード大学で学びながらロンドンのモダニズム文学運動、パリの印象派絵画などに接し、影響を受けます。帰国後、大正15年より慶大文学部教授となり、昭和37年(1962)まで教壇に立ち続けました。英文学の講義をもつ一方、『三田文学』に多くの詩や詩論を次々と発表しました。麻布区富士見町(現・南麻布4丁目)の自宅には瀧口修造ら学生がしばしば押しかけ、深夜まで文学論、芸術論を戦わせていたそうです。
◎参考文献
『日本人名大辞典』(講談社)
『寂しい声西脇順三郎の生涯』(工藤美代子/筑摩書房)
『西脇順三郎詩集』(岩波文庫)
『Ambarvalia』(日本図書センター)

『寂しい声 西脇順三郎の生涯』(工藤美代子/筑摩書房)
