ヘボン(Hepburn, James Curtis)
文化 12年(1815)
明治 44年(1911)
江戸 明治
宣教師 医師 語学者
明治学院
白金台町
白金台1-2-37

明治学院インブリー館 島崎藤村 明治学院大学
文化12-明治44(1815-1911)。アメリカの長老派教会宣教師、医師、語学者。安政6年(1859)来日。横浜居留地に診療所を開設し、医療・伝道・教育活動に従事、聖書の和訳を完成させます。慶応3年(1867)日本初の和英辞典『和英語林集成』を出版、第3版に用いられたヘボン式ローマ字が標準的な日本語のアルファベット表記になりました。明治22(1889)明治学院初代総理に就任、3年後に帰国、96歳で死去。
“Do for Others”の信念で明治学院を創設
クララ夫人とともに来日したヘボン博士は、横浜で医療・伝道活動のかたわらヘボン塾を開き、夫婦で英語を教えていました。のちの蔵相高橋是清や英国公使林董(はやし・ただす)らもこの塾で学んでいます。ヘボン塾はやがて東京・築地居留地にあった東京一致神学校と合併し、明治19年(1886)明治学院が設立されました。現在の白金にキャンパスが開かれたのはその翌年のことです。
明治学院の第1回卒業生で校歌の作詞者島崎藤村は、学生当時の様子を自伝的小説『桜の実の熟する時』に記しています。構内にはヘボン博士の胸像のほか、国の重要文化財のインブリー館、港区の有形文化財の記念館や礼拝堂があります。かつて寄宿舎として建てられたヘボン館は、くしくもヘボン博士死去の当日に焼失しました。
◎参考文献
『日本人名大辞典』(講談社)
『港区史跡散歩』(学生社)
『江戸・東京歴史の散歩道3』(街と暮らし社)
インブリー館・記念館・礼拝堂(白金台1-2-37・明治学院)
『ヘボン物語 明治文化の中のヘボン像』(村上文昭/教文館)
『横浜のヘボン先生』(杉田幸子/いのちのことば社)
『ヘボンの生涯と日本語』(望月洋子/新潮社)
『ヘボン書簡集』(高谷道男編訳/岩波書店)
