松方種子(まつかた・たねこ)
大正 6年(1917)
昭和 64年(1989)
昭和
教育者
西町インターナショナルスクール
元麻布2-14-7

松方ハウス
大正6-昭和64(1917-1989)。教育者。父方の祖父松方正義は明治の元勲、姉ハルはライシャワー元駐日米国大使夫人。日系2世の母親の方針で、幼い頃から米国人家庭教師による教育を受け、米国のプリンシピア高校ならびに大学に留学。さらにコロンビア大学で図書館学の修士号を取得し、帰国後、西町インターナショナルスクールを創立しました。
元麻布の松方ハウスに蒔かれた国際教育という名の種
米国留学から17年ぶりに帰国したのは、いまだ戦争の爪あとが深く残る敗戦3年目のこと。日本が真の意味で復興し、世界の平和に貢献するためには教育が重要だと考えた種子は、学齢期の子どもを持つ友人たちと協力して独自の学校をつくる決意をします。母ミヨが戦前、自らの子どもたちのために設立した私塾のように、自主性、主体性を重んじる教育を行い、異文化の理解に欠かせない英語教育は種子と姉のハル・ライシャワーが担当することにしました。
昭和24年(1949)空襲で焼け残った元麻布の邸宅で、わずか4人の日本人生徒からスタート。そして、現在は国籍数25か国、在籍生徒数400名以上、卒業生は4000名を超えるスクールに発展しています。また校舎の一部には、大正10年(1921)に建てられたヴォーリス設計の父・松方正熊邸(松方ハウス)が今もそのまま使用されており、東京都選定の歴史的建造物となっています。
◎参考文献
『日本人名大辞典』(講談社)
西町インターナショナルスクール(元麻布2-14-7)
『ハル・ライシャワー』(上坂冬子/講談社)
『ライシャワー自伝』(エドウィン・ライシャワー著、徳岡孝夫訳/文藝春秋)
『絹と武士』(ハル・松方・ライシャワー著、広中和歌子訳/文藝春秋)
