岩村 透(いわむら・とおる)
明治 3年(1870)
大正 6年(1917)
明治 大正
美術史家 美術評論家
白馬会洋画研究所
赤坂溜池町3丁目
赤坂1丁目付近

黒田清輝 慶應義塾大学 白馬会
明治3-大正6(1870-1917)。美術史家、美術評論家。官僚岩村高俊の長男。明治21年(1888)から米国、欧州に留学。欧州ではパリのアカデミー・ジュリアンで画技を学び西洋美術史を研究。帰国後、パリで出会った黒田清輝らと白馬会を結成。のち東京美術学校(現・東京芸大)教授。文展審査員を務め、国民美術協会の創立にも尽力しました。
欧米で美術を学んだ後、赤坂溜池の洋画研究所に参加
美術史家・岩村透を育んだのは、慶應義塾幼稚舎と東京英和学校(現・青山学院)でした。美術への関心を深め、英語力を養った彼は、欧米で5年間、専門的に美術を学びます。帰国後は美術団体の白馬会創立に参加、赤坂溜池に創立された同会洋画研究所で西洋美術史を中心とする講話を行いました。
明治32年(1899)東京美術学校の講師となり、のちに教授に就任。その親しみやすい授業は人気の的で、彼の講義を聴くために入学する生徒もいたなど、数々の逸話が残されています。母校の東京英和学校や、森-外の推薦により慶應義塾大学で教鞭を執った時期もあります。また自邸が麻布北日ヶ窪・芋洗坂下にあったことから、号を「芋洗」と称していました。
◎参考文献
『日本人名大辞典』(講談社)
『日本歴史人物事典』(朝日新聞社)
『芸苑雑稿』(平凡社)
『芸苑雑稿』(宮川寅雄編/平凡社)

『異都憧憬 日本人のパリ』(今橋映子/平凡社)
『岩村透と近代美術』(清見陸郎/聖文閣)
