村松梢風(むらまつ・しょうふう)
明治 22年(1889)
昭和 36年(1961)
大正 昭和
作家
芝大神宮
神明町
芝大門1-12-7

慶應義塾大学
明治22-昭和36(1889-1961)。作家。大正6年(1917)雑誌『中央公論』に『琴姫物語』を発表し、慶應義塾大学を中退して作家生活に入りました。『近世名匠伝』『本朝画人伝』などの人物評伝で人気を博しました。菊池寛賞作家・村松喬は息子、直木賞作家・村松友視は孫にあたります。
江戸情緒の残る芝神明で過ごした修業時代
故郷静岡での農村暮らしになじめず、慶大入学をきっかけに芝神明にあった「臼田旅館」で下宿生活を始めます。浅草ほどではないものの、明治末期から大正にかけての神明大神宮の周辺には待合や芸者屋、銘酒屋などが立ち並んでいました。村松は芝神明を拠点に吉原、洲崎、品川と夜毎に遊興し、作家としての観察眼を養っていきました。のちに、芝の神明は東京で唯一江戸情緒をたたえた土地であったと述懐し、随筆集『女経』では芝神明の矢場(楊弓店)で知り合った上州出身の女性との出会いと別れを情感たっぷりに描いています。
◎参考文献
『日本人名大辞典』(講談社)
『私の履歴書文化人1』(日本経済新聞社)
『女経』(中央公論社)
芝大神宮(芝大門1-12-7)
『本朝画人伝』全8巻(中央公論社)
『魔都』(ゆまに書房)
『女経』(中公文庫)
『男装の麗人』(中央公論社)

『鎌倉のおばさん』(村松友視/新潮文庫)
『黒い花びら』(村松友視/河出書房新社)
