東海道に隣接し、増上寺にも程近い神明宮界隈は、水茶屋や楊弓場、芝居小屋や寄席などが軒を連ねる盛り場としてにぎわっていました。浮世絵や絵草紙を販売する和泉屋市兵衛などの版元が数多くあったことでも知られています。
芝神明宮(現・芝大神宮)は寛弘2年(1005)の創建。天照大神(内宮)、豊受大神(外宮)を主祭神として祀っています。江戸時代には幕府の庇護の下、「大江戸の大産土神(おおうぶすなかみ)」「関東のお伊勢様」として庶民にも信仰されていました。神明宮の祭礼は9月16日を中心に11日間も続くため「だらだら祭」と呼ばれ、生姜市が立つことから「生姜祭」とも呼ばれました。